米石油大手が半年で13兆円超の利益、ガソリン高騰が中間選挙前に影落とす

イラン戦争開始後の半年間で、米石油大手の利益は1300億ドルを超え、前年同期の約3倍に膨らんだ。同じ期間に米国の消費者はガソリンと軽油に1470億ドルを余分に支出し、1世帯あたり1100ドル以上の負担増となった。知乎の執筆者スティーブン・リー氏がまとめたこの数字は、エネルギー価格の変動だけでなく、ガソリンスタンドの利用者からエクソンモービルやシェブロンの株主へと富が大規模に移転していることを示している。

これが重要なのは、インフレと中間選挙という二つの敏感な論点に同時に触れるからだ。投票まで残り数日となるなか、ガソリン価格は米史上最も高い選挙日に向かっている。エネルギーはインフレ統計でも比重が大きく、有権者の家計と気分を直接左右する。

利益と請求書:静かな富の移転

エクソンモービルの第3四半期利益は前年同期から2倍の154億ドル、シェブロンは100億ドル近くに達した。両社とも燃料関連の利益で記録を更新した。一方、一般の米国人の実質時給はインフレに対してマイナスに転じている。石油の利益はインフレの副作用ではなく、コストプッシュ型インフレの原動力だ。ガソリン平均価格は1ガロン4.23ドル、軽油は6.33ドルに達し、エネルギー価格は前年比35%超上昇した。これにより総合PCEは3.6%、コアPCEは3.1%となり、連邦準備制度理事会(FRB)の2%目標からさらに遠ざかっている。

金融政策への波及は非対称だ。利上げは需要を抑えられても、ホルムズ海峡の封鎖を破ったり、製油能力の不足を緩和したりはできない。FRBは金利を3.75%〜4.00%に据え置けるが、一般家庭は今冬の暖房油に21%多く支払う見通しだ。インフレは根本的に解決されておらず、ただ棚上げされているにすぎない。

政治の火薬庫:中間選挙前のガソリン価格不安

棚上げの代償は中間選挙が負う。投票まで残り数日で、ガソリン価格は米史上最も高い選挙日に向かっている。トランプ前大統領は集会で「そんなことはどうでもいい、我々は大金を稼いでいる」と述べた。政治的な打撃は、誰が得をし誰が払うのかという分配の問いを正面から突きつけることにある。

民主党は下院を奪還すれば石油業界の利益を議会で審議すると表明している。さらに示唆的なのは、トランプ氏自身が石油会社は「稼ぎすぎだ」と公に不満を述べ、党の圧力を受けて司法省に「価格つり上げ」の調査を指示したことだ。化石燃料推進派を自称する大統領が選挙前に伝統的な支援者に矛先を向けたことは、ガソリン高の政治的痛みが今やイデオロギー的な居心地の良さを上回っていることを示す。

インフレと説明責任

インフレにとって石油の利益は、エネルギーコストが高止まりし、FRBの裁量余地が縮み、軟着陸が難しくなることを意味する。選挙にとってガソリン高は、接戦区を揺るがしかねない有権者の不満に直結する。見方は分かれる。石油会社は市場の機会を捉えただけであり、超過利潤税は投資を妨げるとの指摘がある一方、戦時のこうした利益には正当性がなく議会が調査すべきだとの声もある。

いずれにせよ、避けがたい事実が一つある。一般家庭が暖房油に21%多く支払うなか、石油大手の株主は記録的な配当を享受している。この対比自体が政治的な動員の燃料となる。誰が払うのかという問いへの最初の答えは、中間選挙の結果が示すかもしれない。

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